治療症例
症例⑩ 70代女性・保存不可能な歯が多数あり、
インプラントブリッジにて
全顎的に再建
1) 治療前
近医にて定期的に通院していましたが、だんだんとボロボロになってきてしまい、しっかりと噛めるように治したいという事で来院されました。
2) 初診時レントゲン
ほとんどの歯が保存不可能で、
何本かがなんとか残せるかという状態でした。
3) 初診時歯周検査
初診時の精密なレントゲンと歯周病の検査になります。全体的に中程度の歯周病の状態で、部分的に深いポケットも存在しています。
4) 初診時セファロ分析
原因を究明するために骨格的な診断は必須となります。
頭蓋、顔面と歯との位置関係を精密に分析していきます。
5) 治療計画
年齢と治療後の予後も考慮し、すべて抜歯となってしまいました。
費用はかかってもかまわないので、しっかりと噛みたいとのご要望により全ての歯をインプラントを用いたブリッジで治療していく事となりました。
6) 抜歯後
全ての歯を抜歯し、歯茎が治ってきた状態です。 治療中は一時的に総入れ歯の状態になり、かみ合わせの位置を確認していきます。
7) SMOP
SMOPガイドと言われるインプラントガイドシステムです。
最終的な予測模型と実際のCTデータと実際の口の中のスキャンデータを重ね合わせて、インプラントに位置を正確にポジショニングしていきます。
8) SMOP
このSMOPガイドを使用する事により、より正確で安全なインプラント手術が可能となります。
9) SMOPガイド
出来上がってきたSMOPガイドです。
こちらを実際のインプラント手術で使用していきます。
10) 1st Provisional Wax Up
インプラント手術が終わり、
1回目仮歯の型取りから仮歯を製作して行きます。
11) 1st Provisional
完成した1回目の仮歯です。前歯の見え方や形、噛み合わせも含めた全体のバランスを整えていきます。
12) 1st Provisional
1回目の仮歯を実際の口腔内へセットしたところです。
これで全ての歯が固定式となり、ここから噛み合わせや発音など確認しながら使用していきます。
13) 初診時と
1回目仮歯の状態の比較
ここから噛み合わせの確認や、顎の位置、発音、食事など実際に使用してもらいながら確認していきます。
14) スプリント使用
歯が全て固定式となったため、顎の位置を再度確認するためにスプリントと呼ばれる硬めのマウスピースを使用していきます。
15)2nd Provisional
顎の位置が確定してから、2つ目の最終的な補綴物とほぼ同じ形の仮歯を制作していきます。
16)仮歯の状態での
側方レントゲン
治療途中でも最終確認のために側方レントゲンを撮りしっかりと分析と確認を行っていきます。
17)Final
完成した最終補綴物です。
年齢も加味し、白すぎず自然な色合いとなるように製作しています。
18)セット時の口腔内写真
最終補綴物セット時の口腔内写真全ての歯が固定式となり、しっかりと噛む事が出来ています。
19)セット時のパノラマレントゲン
全てインプラントを用いたブリッジとなりました。
20)レントゲンの比較
年齢も考慮し、全てインプラントにて修復しました。
全体的にもバランスの取れた状態になっています。
21)口元の比較
健康的な口元になりました。
何より、しっかりと何でも噛める状態となり、全身の健康増進につながる結果となりました。
22)初診時と終了後の比較
口の中が清潔になり、しっかりと機能する口腔内状態となりました。 今後、しっかりとメインテナンスを継続してこの状態をキープしていく必要があります。
主訴 | 他院にて定期検診に通院していたのですが、しっかりと噛めない、全体的に治療して欲しいとの事で来院されました。 |
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治療期間 | 約2年 |
治療費 | 総額880万円(税別) |
治療内容 | 保存不可能な歯は抜歯とし、3本ほど残せる可能性もありましたが患者様とご相談の上、ご年齢や今後の食生活のことも考え、すべて抜歯としました。 綿密な計画を立て補綴主導でインプラントを用いて治療を行いました。 |
治療中の注意点
● リスク
治療途中で上下治療用総義歯になる時期があるため、一時的に食事の取りずらい期間がある。また、噛む位置が不安定なため、最終設計の噛む位置を決定するまでに期間が必要となる。
● 副作用
咀嚼能力の一時的な低下、発音機能の一時的な低下
治療後の注意点
● リスク
ほぼ全てが人工物(被せ物)となるため、被せ物の脱離や破折の可能性がある。また、複数本のインプラントおよびセラミック冠使用する為、噛み合わせやインプラント周囲炎に対する定期的なメインテナンスの必要性がある。
● 副作用
人工物(被せ物)の脱離、インプラント周囲炎の可能性